ビル再生事業で急成長のジャパン・プロパティーズが挑戦する不動産投資のさらなる民主化

ジャパン・プロパティーズ株式会社はリノベーションブランド「JP-BASE」シリーズで不動産の価値を高め、日本経済の未来を担うスタートアップ企業や国内外の法人、個人に高品質なオフィスを提供している。2022年を「第二創業期」と捉え、不動産クラウドファンディングに加えてソーシャルレンディングの活用も見据えている。「強い企業や成長企業が増えていくことによって日本の価値が向上すると信じています」と語る高将司代表取締役CEO に、同社の強みや、目指すべき姿について伺った。

▽お話をお聞きした人:高将司
1985年生まれ。2006年にサヴィルズ・ジャパン株式会社(本社:英国)に入社し、オフィス・リーシング事業の日本マーケット立ち上げメンバーとして参画。最年少ながら売上を伸ばし、日本マーケットでの基盤構築に貢献した。2012年にジャパン・プロパティーズ株式会社を設立。上場企業からベンチャー企業まで、世界中で幅広い経営者ネットワークを持つ。

大好きな日本の価値を高めていきたい

――まずは高社長ご自身のこれまでの経歴と、2012年1月にジャパン・プロパティーズを設立した経緯についてご説明ください。

叔父は不動産を所有することによって家賃収入を得ることができており、ずっと安定した生活を送っていました。そんな叔父の姿を幼い頃から見てきた影響もあって不動産業界に進もうと決めていました。

19歳の時に父親が病気で倒れ、弟と妹の学費を工面するために大学を中退してオフィス賃貸仲介を行っている会社に就職しました。そして、21歳の時にサヴィルズの日本法人(サヴィルズ・ジャパン株式会社)にてオフィスリーシング事業の日本マーケット立ち上げに携わりました。

その後、5年間勤めて経験や人脈を蓄えた後、ジャパン・プロパティーズを創業しました。

――「ジャパン・プロパティーズ」という社名にはどのような想いを込めているのでしょうか。

2011年3月東日本大震災の影響で、日本全体に元気が無い状況でした。そんな日本を元気にしていきたい、そう思いました。私は生まれ育った日本が大好きで、より魅力的な日本にしていきたいという強い想いがあります。そこで社名を「ジャパン・プロパティーズ」とし、日本の価値を最大化し、日本を元気にし、日本を代表する企業になりたいという想いを込めました。海外の方にとっても、社名に「ジャパン」と入っていることですぐに覚えていただけます。

JAPAN PROPERTIES

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

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一棟ビル再生事業で年商30億円を突破

――公式サイトに掲げられている「テクノロジー×クリエイティブの力で、日本の価値を最大化する」という言葉に込めた想いを教えてください。

ジャパン・プロパティーズ

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

テクノロジーの進化によってあらゆるものが変わりつつあります。不動産業界も、不動産クラウドファンディングの登場によって直接金融が可能になったので、従来のように銀行の動きに不動産価格が連動していた状況が変わっていく可能性があります。当社もこの春から不動産クラウドファンディングをスタートさせます。

クリエイティブも今の時代に必要とされているもので、今後オフィスビルが更に増え、競争も激化していく中、何か工夫しないと借り手が付く事が難しくなってきたと考えています。室内を整備したり、エントランスを充実させたりといったことや時代のニーズをキャッチし、様々な事を取り入れることで人や企業を引き寄せていかなければなりません。

当社が再生するビルにはスタートアップ企業や私の出資先の企業にも入っていただいているのですが、そのような形で企業を育てる流れもつくることができていますし、そのなかで強い企業が増えていくことによって日本の価値を最大化させることができると信じています。

――創業から現在に至るまで、事業内容はどのような変遷があったのでしょうか。

創業時からオフィス賃貸仲介のマーケットに携わっていました。私自身、最初に就職してから7年間その業種に従事しており、私にとっての不動産業界での第一歩だったこともありました。

ジャパン・プロパティーズを創業してから1年ほどで不動産管理部を立ち上げてプロパティ・マネジメントを担うようになりました。3年目からは区分マンションや一棟ビルなどの物件を取得し、長期運用型の固定資産として扱う事業も始めました。その流れで、売買仲介業や、一棟ビル、3,000万円から4,000万円代の区分マンションなどの買い取り再販事業をスタートさせました。

そして2020年に区分マンション買い取り事業から撤退して一棟ビルの再生事業に集中し、本格参入しました。現在は売上の9割程度が都心部の一棟ビル再生事業となっており、これによって売上を2020年の7.8億円から2021年31.4億円、2022年36.5億円と大きく伸ばしています。

ジャパン・プロパティーズ

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

その他ではオフィス賃貸仲介事業やプロパティ・マネジメント、アセット・マネジメントも行っています。また、「みんなのオフィス」、「オフィス戦隊サガスンジャー」というウェブサイトも運営しています。「みんなのオフィス」はどういう機能を持っているかというオフィス戦略を紹介するメディアで、居抜きのマッチングなども扱っています。「オフィス戦隊サガスンジャー」はオフィス探しのプラットフォームとなります。

ジャパン・プロパティーズ

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

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仕立てたオフィスビルは軒並み満室 長年培った業界ノウハウとプロフェッショナルなスタッフが強み

――不動産業界におけるジャパン・プロパティーズの強みや差別化ポイントを教えてください。

私自身の業界歴が19年、ジャパン・プロパティーズを設立して12年目になりますので、業界のノウハウは熟知しているつもりです。元々、オフィス賃貸仲介事業からスタートしているので、地域やスペックに応じた賃料の適正価格は把握していますし、そこから逆算して物件を購入することができます。

また、自社でリーシングができますし、売却後もオーナー代行として管理を継続できます。そういった好循環を生み出しつつ、数多くの物件を仲介させていただいて、借主、貸主両方の立場を熟知していることが大きな強みですね。

――主要メンバーの顔触れを見ますと、不動産や金融のプロフェッショナルが名を連ねている印象を受けます。どのような基準でメンバーを集めているのでしょうか。また、今後どのような方に入社してほしいと考えていますか?

事業は人が創ります。優秀なスタッフと共に良いサービスを作っていきたいという想いで、さまざまな方面から紹介いただきながら人材を集めています。

2019年2月に不動産特定共同事業法(不特法)の3号事業および4号事業にかかる認可を得たのですが、銀行で勤務していた方々を迎え入れることによって信用を得ることができたと考えています。

当社はベンチャー企業ですので、新しいこと、皆さんがやっていないことにチャレンジして進めていかなければなりません。会社としてまだまだ成長段階にあると思っていますので、新しいものを作ること、まだ見たことのない世界を切り開いていくことにワクワク感を持って取り組んでくれる方に入社してほしいですね。安定した仕事をただ待っているだけではなく、自ら動いて仕事を取りにいくような方と、これまでとは違う景色を一緒に見にいきたいと考えています。

――これまでに手掛けてきた代表的なプロジェクトについて教えてください。

再生ブランドである「JP-BASE」シリーズは時代のニーズにマッチしたものを提供している点が特徴です。たとえば2021年3月にオープンした「JP-BASE渋谷松濤」という一棟レジデンスの場合、ちょうどリモートワーク中心になった時期だったこともあり、屋上にフリースペースを設け、リフレッシュできる空間をつくりました。

ジャパン・プロパティーズ

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

ジャパン・プロパティーズ

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

また、従来のオフィスビルの場合、入居時の造作コストが1坪あたり30万円〜50万円以上もかかる場合があります。30坪なら900万円〜1,500万円、100坪あれば3,000万円〜5,000万円です。ベンチャー企業が初期投資でオフィスにそれだけの資金をかけるのは難しいので、当社は内装まで仕上げた状態にし、コストをかけずに、すぐに業務出来る様に貸し出しをしています。

我々が扱う物件は30坪前後ですし、スタートアップ企業はだいたい同じような成長曲線を描くので、どのような設備を入れてどのぐらいの賃料で貸し出せばいいか、だいたい分かります。そのなかでもかなり良いものを作り込んで提供していますので、当社が扱う物件は現在、進行中の物件以外すべて満室となっています。

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不動産投資のさらなる民主化を目指す

――今回、ソーシャルレンディング実施を決めた理由を教えてください。

当社もクラウドファンディングによる不動産投資を進めていきますので、ソーシャルレンディングでの経験を生かしたいという考えもありますし、ジャパン・プロパティーズがどんな会社なのかをより多くの方に知っていただきたいのです。初めての取り組みではありますが、さまざまなことに取り組んでみたいという思いから、今回チャレンジすることに決めました。

――対象となるプロジェクトや資金の使途を教えてください。

基本的には「JP-BASE」シリーズの再生資金に回していきたいと考えています。現状で3件ほど新たに同時進行させていますので、そこに充てていく予定です。

~過去事例【JP-BASE芝大門】港区芝大門1丁目~

ジャパン・プロパティーズ

(画像提供=ジャパン・プロパティーズ)

ジャパン・プロパティーズ

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――今後の事業構想、目指すべき事業ビジョンについて教えてください。

まずは不動産クラウドファンディングを必ず成功させたいですね。不特法の3号事業、4号事業の電子募集事業者は日本で2社しかなく、非上場企業はジャパン・プロパティーズ1社だけです。取得に4年以上の月日を要しましたので、ここで勝負をかけていきたいと考えています。

今まで個人投資家は1億円以上の物件を購入することは難しく、3,000万円前後の中古ワンルームマンションやJ-REITに投資するしか選択肢がありませんでした。当社が扱うのは1億円以上のビルやレジデンスなどですが、そのレンジを民主化させ、多くの方に投資機会を持っていただくということを始めていきたいと思っています。個人の収入が増えることによって人生が豊かになり、選択肢も増える。そんな未来を築いていきたいと思っています。

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(提供:ZUU online

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