株式会社明豊エンタープライズは東京の城南・城西地区を中心に展開する、RC造の新築1棟投資用賃貸マンション「EL FARO(エルファーロ)」や、白い外壁が目を引く鉄筋造の新築1棟投資用賃貸アパートメント「MIJAS(ミハス)」を手掛けている。不動産デベロッパーとしてモノ創りにこだわり両シリーズとも投資用不動産として高い人気を誇っている。また、同社は、オフィスのリニューアル、服装の自由化、若手社員によるSNS発信など、時代に即した活動にも積極的だ。
ソーシャルレンディングを活用してさらなるチャレンジに挑む明豊エンタープライズはどんな想いで事業に取り組んでいるのか。「モノ創りにこだわり、お客様と一生涯のお付き合いをさせていただくことを大事にしている」と語る梅木隆宏取締役社長(メインビジュアル写真)、そして現場を預かる吉田茂樹執行役員営業本部長、杉本圭司執行役員営業本部開発一部長兼事業企画室長に話を聞いた。
1986年に東亜建設工業に入社。2005年、東京テナントセンター(現明豊プロパティーズ)に入社し、2009年、代表取締役社長に就任。2012年、明豊エンタープライズ取締役、2013年に副社長、2017年に現職の代表取締役に就任した。
1980年に在京デベロッパーへ入社、1982年に在阪デベロッパーの東京支店に移り、2013年に同社名古屋支店、執行役員支店長に就任。2015年に株式会社明豊エンタープライズに入社し、2017年に執行役員営業本部長に就任、2021年から株式会社明豊プロパティーズの取締役も兼任する。
2003年に株式会社明豊エンタープライズに入社、株式会社明豊コーポレーションへの出向を経て、2011年から管理部経理・IRグループのグループ長、2017年から営業3部部長を歴任。2021年から執行役員 営業本部開発一部長兼事業企画室長、株式会社ハウスセゾンエンタープライズの取締役を兼任する。
若い社員が力を発揮、社内の雰囲気も一変
――現在の事業内容についてご説明ください。
吉田 現在、主軸としているのはRC造の新築1棟投資用賃貸マンションである「EL FARO(エルファーロ)」です。スペイン語で「灯台」という意味で、「街を照らす」、「街の道標になる」という意味も含んでおり、1棟あたりの価格帯は5億円前後となっています。もう1つのブランドが「MIJAS(ミハス)」です。こちらは鉄骨造の新築1棟投資用賃貸アパートメントで、スペインのアンダルシア地方にあるリゾート地の名前を冠し、街の特徴でもある白壁の家並みを模した外観となっています。こちらの平均価格は3億円前後です。
これまでに「MIJAS」を100棟以上、「EL FARO」も20棟以上を供給してきました。現状はこの2つのラインナップが売上の大部分を占めており、今期は半々ぐらいで推移しましたが、来期以降は「EL FARO」により力を入れて年間40棟の供給を目指し、「MIJAS」との比率が8:2ぐらいの割合になるよう注力していきたいと考えています。また、今後はリノベーションや、もう少し規模の大きな1棟マンションなどの商品化も目指していきたいと考えています。
5階建てマンションのEL FARO神楽坂
――御社の企業理念についてご解説ください。
梅木 モノ創りにこだわり、お客様と一生涯のお付き合いをさせていただくこと、それが、私たちが最も大事にしている企業理念です。今は首都圏の土地を購入して投資用不動産を建設し、投資家の方々に販売していますが、以前は一般的なマンション分譲も扱っており、その時は外断熱工法を前面に押し出していました。その頃から外観やデザインにこだわるだけでなく、法令をしっかり順守し、お住まいになってくださる方々が快適に、安全に暮らしていただけるものを造っていくことが我々の使命だと考えていました。
今は1棟投資用賃貸物件の販売を手掛けていますので、物件に住んでいただく方だけでなく、購入していただき資産運用していただく投資家様へのサービスが重要です。その点については、子会社の明豊プロパティーズが商品の管理をさせていただいている物件もあり、オーナーさまと非常に長いお付き合い、一生涯のお付き合いをさせていただくことを目指して、グループ全体でビジネスを進めています。
――業務体制や、仕事をする上で社員に求めていることを教えてください。
吉田 業務体制については営業の開発部門と販売部門、建築部と建築設計部がありまして、それぞれのプロジェクトは開発部門のプロジェクトリーダー、販売部門の販売リーダー、建築部の建築リーダーの3名で推進していく体制となっています。若い社員が多いのですが、ある程度の権限と責任を彼らに担ってもらい、チームワークを発揮しつつ取り組んでいくというのが1つの特徴になっています。また、近年は新入社員の定期採用によって若いメンバーが増えてきていますので、業務マニュアルを作成して新入社員の研修に活かすなど、各部門の教育制度も充実させています。
――社内環境の改善にも積極的に取り組まれているとうかがいました。
吉田 本社5階の執務室フロア、9階の会議室フロアを今年4月に全面リニューアルしました。社員間のコミュニケーションスペースを設けるなど、業務が円滑に進められるような工夫をこらしています。また、若手社員からの意見を採り入れ、5月からは服装の自由化も導入しています。社員にとって働きやすい職場環境を整えることができつつあると思っています。
杉本 入社3年目までの若手社員で「MU-3(Meiho Under 3years)」というSNSチームを立ちあげ、YouTubeチャンネルでの発信なども行っています。服装をカジュアルにしながら発想もカジュアルにし、若手が中心となってボトムアップしていってほしいと考えています。女性の営業担当者も増えていますし、いろいろなことに対して前向きに取り組み、社内が大きく変わりつつあります。
――梅木社長はそうした社内の変化についてどのように感じていらっしゃいますか?
梅木 2年ほど前から新入社員の定期採用をスタートさせ、その影響もあって社員の平均年齢がずいぶん下がりました。不動産業はどちらかというと成熟産業で、序列が厳しいイメージがあると思いますし、我々の会社にもそのような雰囲気がありました。しかし、いろいろなマニュアルを作るなどして、若手がなるべく即戦力として自信を持って活躍できる環境を整えることで飛躍的に社内が活性化しました。実際、「MU-3」が会社の商品だけでなく社内の様子なども発信してくれることで社内の活気も高まってきましたし、企業としてのさらなる成長が見込めるいい雰囲気になってきたと自負しています。
>>>投資家から高い支持を得る不動産デベロッパー、株式会社明豊エンタープライズのソーシャルレンディングについて詳細を見る
スペインをモチーフにしたデザインと高リピート率
練馬駅をはじめ複数の駅が徒歩圏内にあるEL FARO練馬
――「EL FARO」と「MIJAS」について、同業他社の商品と差別化を図っている部分を教えてください。
吉田 スペインをモチーフにしたデザインに、城南・城西エリアを中心とした地盤の強い、駅から徒歩10分以内の好立地が特徴です。デザイン面は女性の入居者様、投資家様にご好評をいただいており、入居者様の6割以上が女性です。
EL FALOはスペインの市街地をイメージしており、壁の質感、エントランス落ち着きのある色合いのスペインタイルにこだわり、洗練された仕様です。MIJASはEL FALOとは違い、観光地のミハスをモチーフにした白い外壁、床や階段のスペインタイル、アイアン調の照明が特徴的で非常に人気のあるデザインです。
また、不動産投資をされる方、住まれる方は、東京の中で安心して投資できる物件、住みやすい場所を求める傾向にあり、「EL FARO」と「MIJAS」は基本的に城南・城西エリア、具体的に言うと中野区、杉並区、世田谷区、渋谷区、目黒区、大田区、品川区などのエリアに多く展開しています。
投資家さんにとっては「田園調布」や「三軒茶屋」といった知名度の高いところは魅力的ですし、住まれる方にとっては、利便性が高いだけでなく、地盤が堅固であることで防災の面で安心して住むことができます。
――2022年7月時点でリピート購入率が約47%とのことですが、投資家さんからそれだけ高い支持を得られている理由はどこにあるのでしょうか。
吉田 まずは物件プラス管理を含めて安心感を提供できている部分があると思います。当社のように社内に販売部を持っているデベロッパーは今、極めて少ない状況です。仲介チャンネル等を介して販売することもありますが、当社では商品のうち2割は自分たちで直接、お客様に販売するというミッションの下で動いています。お客さまに寄り添った販売体制、管理体制を採り、それにご満足いただけているからこそ、物件を買い増ししたい、あるいは買い替えたいというニーズが発生していると思いますし、販売部が直接、販売している2割のうち半分ぐらいは、そういったニーズに対して管理会社のオーナー様担当と連携しながら販売しています。
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ソーシャルレンディングで社のPRも目指す
――今回、ソーシャルレンディングの活用を決めた理由を教えてください。
梅木 理由の1つは、資金調達の手段を増やすためです。現在、土地の取得を加速させているのですが、お客様から非常に高い評価をいただき、竣工在庫も全く抱えていない状態ですし、建設中のものもいくつか売れています。いろいろなことを注意深く考える必要はありますが、これだけの高い評価をいただいているので、もっと供給を増やしてお客様のご期待に応えることが使命だと考えています。そのためにはどうしても資金が必要になりますし、資金調達手段の多様化にチャレンジすることを決めました。
また、我々はモノ創りにこだわる地味なデベロッパーということもあり、会社をPRすることがあまり上手ではありませんでした。いろいろな広報活動を企画する中で、ソーシャルレンディングを活用させていただくことによって幅広い投資家さんから資金調達させていただけるだけでなく、業務内容や業績も含め、多くの方に弊社を知っていただけるチャンスだと考えています。
世田谷区にあるMIJAS三軒茶屋Ⅲ
――対象となるプロジェクトと、調達資金の使途を教えてください。
梅木 今回のプロジェクトは三軒茶屋で開発予定の「MIJAS」が対象になります。さらに、「EL FARO」の駒沢、二子玉川の物件も平行して企画を検討しています。一般的な認知度が高く、特に若い方に人気のエリアですので、これらのプロジェクトで資金調達をさせていただくことでPR効果も高まるのではないかと期待しています。使途については、工事費用に充当する予定です。モノ創りにこだわるデベロッパーですので、コストの部分をしっかり確保してプロジェクトを進めていきます。
――今回、ソーシャルレンディングの活用を決めた理由を教えてください。
梅木 2014年に「MIJAS」をスタートさせ、投資用不動産を供給する事業が8年かけてようやく回るようになってきました。「MIJAS」は2020年に100棟を達成しましたが、「EL FARO」はまだ20棟です。現在、それらを倍増させる計画を進めています。もちろん、様々な視点で商品開発の可能性を探らなければなりませんが、当面はやはり「EL FARO」、「MIJAS」を中心とした投資用商品を世に送り出し、時代のニーズに合うように進化させていくことが必要だと考えています。
杉本 「EL FARO」、「MIJAS」に続く次の主軸についても常に考えています。不動産再生事業なのか、違う不動産の開発なのかはまだ確定していませんが、一本足より二本足、二本足より三本足の方が会社としてより安定し、柔軟な対応ができますし、現場としては次なる主軸の開発を急務と考えています。
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(提供:ZUU online)